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チラシの裏に書くようなことを徒然と。 Since 19,Feb,2007
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WHITESOFTよりギャングスタ・リパブリカです。
このブランドは初めてでしたが、やはりシナリオライター元長柾木氏というのが私的には大きかったですね。元長氏といえば名作・Senceoffのシナリオを書いた人であり、作品の傾向としては全てが語られず考察の余地を多分に残す印象でしたね。



「心の中のガラクタを捨てられない者は、あの店を訪れるといい。いつか、仲間にめぐり逢える」 そんな噂話に惹かれ、集った仲間たち。時守叶 (ときもり かなえ) は彼らと主にギャング部なる部を創設する。 “悪が世界を変える” と信じている叶は、仲間たちとともに悪を成す。 ある時は、子供たちの遊び相手になると称して若い貴重な時間を奪い、またある時は、おばあちゃんの引っ越しを手伝うと称して、お礼にお菓子をせしめる。 悪であることは、仲間であることの証。心の中のガラクタを捨てられない彼らは、悪の名の下にめぐり逢った仲間。 今日も叶は仲間たちと共に、悪党どもの共和国 (ギャングスタ・リパブリカ) での時間をすごす。
 

以上、wikiよりあらすじ引用。


 ここから判るように、ギャング部と名乗りながらも実態は町の何でも屋さんといったところです。こういうエロゲやラノベでたまに見るような”便利屋”設定をツンデレ的に悪と表現しているだけの、ゆるーい部活動を中心に進むほのぼの学園モノ。・・・に一見感じるのですがそこは元長氏。一筋縄ではいかないシナリオが待っています。ある意味で真のキャラゲーと言えるような作品です。


 グラフィックからいきますが、キャラデザはミヤスリサ氏で、淡い線使いで割と頭身が低くて目が大きい可愛いタイプの絵柄。苦手な人は苦手かもしれません。東方界隈でもよく見る方ですね。


 BGMは特に耳に残ったものはないものの、心地良い類の曲が多かった印象。また、主題歌のモラトリアム・クラスタはキャッチーでロックでカッコ良い曲ですね。プレイ後に聞くとまたひとしおなところも良いですね。


 システムは最近プレイした幻創のイデアと同様に、キャラが吹き出しで喋る感じのテキスト表示が特徴的。イデアよりは幾分見やすい印象でしたが、うーんあまり個人的には好きな類じゃないんですよねえ。私の頭が硬いだけかしら。あと主人公のセリフや地の文も分量に合わせてウインドウの大きさが変化するんですが、これが結構読み難かったんですよねえ。せめて地の文はウインドウ固定で表示するとかメリハリが欲しかったところ。

 プレイ時間は、25時間くらいですかね。短すぎず長すぎず、といったところですが展開が展開だけに人によって感じ方が異なると思います。


 総評:7点



というわけで以下シナリオネタバレとなりますのでご注意をば。

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 で、シナリオ感想ですが、本来であればヒロイン4人のルートについて語るべきなのでしょうが、ぶっちゃけ殆どシナリオそのものに語ることがありません。前半(1部)はその特殊な世界観については殆ど語られることはなく、ギャング部、街の便利屋さんとして活動しながらイチャコライベントをこなして行く、という人によっては退屈極まりない内容に過ぎません。


 じゃあどこが売りなのか、というと後半(2部)の「人がそうしたいと思うのとは違うやり方で、人がそうなりたいと思うことを実現すること」を悪の本質と考え、邪悪足らんとする主人公。そんな主人公の元に集まったヒロイン達が、自分達が持つ譲れない一線、心のガラクタ、抱えた悪をヒロイン同士でぶつけ合う、「思想対決」が本作のテーマとなります。

 まあ対決といっても別に主張の押し付け合いをするわけじゃなくて、仲が良い故にお互いを理解しようとして、そんな生き方は出来ない、受け入れられないと拒絶しつつも認め合うぐらいは出来るんじゃない?と言った感じです。
 



 で、その思想対決の土台となるのが、我々の世界と表面上似通っているようで、全く異なる本質を持ったギャングスタ・リパブリカの世界観となるわけですが、こちらは要考察。前者は基本的にそのまま受け取れば良いだけですが、後者は考察無しにはとても理解出来ない内容になっており周回プレイは必須。この辺りのバランスが本当に元長氏らしいといった感じですね。





 確定情報があるわけではないので結局想像の域を超えないのですが、一応極簡単に世界観をまとめます。


 まずこの世界の人間は、全員ループ遺伝子というのものを持っており、それによって各人それぞれがループ現象を起こすことが出来ます。ループには固有ループと共有ループがあり、固有ループは自然発生的に起こり、共有ループは、複数人(3人以上だっけ?)で故意に起こすことが可能。ループ期間は各人で決まっていて基本的に生涯変化することはないらしい。一般的にはせいぜい一日程度。主人公の叶と禊は、常人よりも遥かに長いループ期間を持っている。

 ここは推測になりますが、ループ現象はある種精神的なものなのだと思います。世界中でループ現象が日常茶飯事に起きているわけですからその度に世界毎ループしていたら収集つかないですしね。で、ループから抜けるときには精神的昂揚(ドキドキ)が必要でその際アホ毛が立ちます(謎)。アホ毛が立って抜けた最後のループの事象が事実として現実に反映される。
 ついでにループ期間が長いものは、短いものに対し入れ子構造にすることが可能であり、圧倒的強者であるらしい。これは短いものがループを抜けて事実を決定しても、長いものがその事実を書き換えることが出来るからですね。




 次に主人公の秘密ですが、禊ルートではループ能力を保持していますが、こおりルートではループ能力を失ってループ出来るフリをしていたことが判明します。曰く、この世界はヒッパルコスの天使という超越者によって安寧をもたらされている。ヒッパルコスの天使は稀に生贄を欲し、その生贄に選ばれたものはループ能力を失ってしまう。叶は生贄に選ばれてしまった過去を持っていたわけですね。
 余談ですが、この世界ではヒッパルコスタワーという地上1000mの巨大建造物が世界中に100つ存在し、「天蓋」を支えているらしい。この天蓋がそのまま空中の地表を指しているわけではないと思いますので何らかの比喩だとは思いますが。

 結局主人公はループ能力を持っているのか持っていないのかよくわからんままなのですが、思考停止でいいならパラレルワールドってことでいいと思います。根拠なしに言うと、主人公は誰かのながーい共有ループの中にいて、ヒッパルコスの天使に選ばれたループ=こおりルートで選ばれなかったループ=禊ルートなんじゃないかなーと勝手に想像しています。
 
 あーこう考えるとむしろヒッパルコスの天使自体が超長期のループの持ち主を指していて、ヒッパルコスの天使に選ばれるっていうのはヒッパルコスの天使と共有ループに入るって意味なのかも知れないですね。「天気預報」が出来るのも長期ループの賜物と言えそうですし。





 まあ、私的にはあまり世界構造を深く考察する気はないので、この辺で〆ちゃいますが、なんとなくジョジョのプッチ神父の思想を思い出したのは私だけですかねw 

 彼は明日死ぬとしてもそれを知っていて覚悟が出来ているなら幸せだ、とかいう暴論を世界中の人々に押し付けた極悪人なわけですが、ループが当たり前になっている世界、ヒッパルコスの天使に守られたギャングスタ・リパブリカの世界は、ある意味彼の理想に沿った世界とも言えるわけですよ。で、その中で日々ドキドキを求めて悪の活動をする叶は、この世界では異端。

 で、叶が最終的に禊とともに救世主となるためモラトリアムの世界から脱却するのか、こおりとともに誰も溺れることのない新しいモラトリアムの世界を構築するのか、という選択をするっていうのが物語の落とし所ですかね。ゆとりと希のエピローグはある一つのループの結果に過ぎない感じかな。
 





 こんな感じで、テーマ的には中々面白い内容だったのですが、エンターテイメント性は低い地味な作品であることは否めないですね。派手ならいいってもんじゃないですが、じゃあどこが面白かったの?って問われて具体的な説明をし難い作品なんですよねえ。その分、少ない情報から自分で色々考察したり妄想したり出来る人は楽しめるのではないでしょうか。まあ元長氏のファンなら問題ないでしょうねw

 中でもヒロインの論戦がやはり見ものですね。ふと思ったんですがヒロイン同士が本音でぶつかり合うシーンがある作品は大体名作なんじゃなかろうか。


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